韓統連大阪からのごあいさつ
韓統連大阪本部
代表委員
金昌範(キム・チャンボム)
ブレずに、小さな覚悟を抱きながら
第17期の韓統連大阪本部は大きな試練の海へと出帆します。
朝鮮半島では韓米による戦争挑発が繰り返され、戦争準備のレベルも日本が本格的に加わって飛躍的に高まっています。朝鮮民主主義人民共和国(以下主に北側と表記)は対抗策を強めるとともに、朝鮮半島問題に対する政策を大きく転換させることになりました。
昨年末から今年初め、北側は相次いで南に対する評価と政策の変更、すなわち「大韓民国は和解と統一の対象ではなく、最も敵対的な国家であり、(南北)両国は完全な交戦国関係に固着された」という現実認識と、それに伴う政策転換を発表しました。文在寅政権の対北政策の後退、尹錫悦政権の徹底した対北敵視の態度に続いたこの政策転換発表は、在日同胞社会及び一部日本の運動にも影響を及ぼし始めています。安易に読み流してしまうと統一への道が完全に破綻したとも受け取れかねない文言です。しかし、これら一連の文脈には下記のように留意すべき点があります。
① これまでの北側の祖国統一方針は正当で合理的だと根本的には否定していないこと。
② 南北和解から南北敵対へと逆流させたのは、南側による北の崩壊と吸収統一方針及び韓米のエスカレートする戦争策動であること。
③ そのことから北は戦争策動に対備し、国家防衛に今後徹頭徹尾注力することなど。
逆読みすれば南が対北敵視をやめ、韓米(日)による戦争準備・戦争挑発策動が解消されれば、再び南北関係が好転し、統一への流れも生み出すことができます。
ボールは私たちのもとに投げ込まれました。統一の旗を降ろすことなく、むしろ祖国の平和と統一の意味を、たくさんの人たちと噛みしめ、再確認していきたいと思います。
一方で祖国の平和を実現するうえで考えることがあります。
今、世界の軍事化が進んでいます。世界の軍事費が増大の一途を辿り作られてきた構造(その最大の元凶は米国)の中で実際に戦争が続いていますが、この日本でも、そうした世界の流れに抗拒し、民衆同士がつながり合う世界の実現のため闘っている人たちがいます。パレスチナ民衆連帯のためにデモ行進をし歌う輪の中で、私もひとりの参加者として情熱を発露する機会がありますが、そこではいつも共感と同時に重い現実感を抱いて帰ってきます。それはそうした集まりにいる人々の大半は、こと朝鮮半島の戦争危機となると、その実感が希薄であるということです。おそらく関心が無くは無いが、知らないか、よく解からないということだと推測しています。朝鮮問題を伝え、まず知ってもらうことを通じ、平和連帯の地平を広げることが必要だと思います。
大阪では同胞と日本人による朝鮮半島の平和と統一を支持し連帯する運動が、長年にわたり多くの先輩や友人たちの努力によって築かれてきました。その土台を活かし発展させることが今、韓統連に求められていると思います。
自らに課す要求に比べ、力は小さく一時にできることは限られていますが、ブレずに、小さな覚悟を常に胸に抱き、仲間と語り合いながら実践することによって、力はつながり徐々に大きくなって、やがて現実を動かし始めると信じています。
共に歩んでいきましょう。
【チャジュ 第398号から】