2021年 6月 10日 / 未分類
【統一ニュース 2021/5/31】
国家保安法上の「反国家団体」と烙印を押された在日韓国民主統一連合(韓統連)会員に対する韓国政府の「旅券発給制限及び不許可」措置に対して、国家人権委員会が前向きな決定を下し、今後の故国訪問がより円滑になると展望される。
韓統連会員4名は、それぞれ有効期間1年・3年・5年の旅券の発給を受けたが、その内の1名は「朝鮮総連、または韓統連における経歴」「北朝鮮への訪問期間および経歴」などを詳細に記載する身元陳述書を提出しなければならなかった。この他にも、韓国旅券発給時に韓統連から脱退する意思を確認するなど、良心の自由を侵害されたという内容も陳情に含まれた。
国家人権委員会侵害救済第1委員会は去る26日、「決定」を通じて外交部長官に「在外国民の入国を不許可とする手段として活用されないよう、旅券法及び旅券法施行令など関連規定を改善する必要がある」という意見を表明した。
外交部が日本に居住する在外国民の旅券発給を拒否する措置は「国家が国民の入国を不許可とすることによって、母国に戻ることができる自由を侵害するのと同様だ」という判断であり「深刻な憂慮を表明する」ということだ。
旅券発給拒否措置の趣旨は、内国人が海外に逃走するのを防止したり、すでに逃走した者に対する旅券再発行制限を通じて、国内に帰国させることを目的とするという判断だ。具体的に「市民的・政治的権利に関する国際規約」第12条第4項「何人も自国に帰る権利を恣意的に剥奪されることはない」という規定も提示した。
国家人権委はまた「一律的に旅券の有効期間を制限しないよう、関連手続きを整備すること」を勧告した。「反国家団体構成員」の可否だけで判断し「大韓民国の安全保障などに重大な侵害をひき起こす」という憂慮に対しては、どんな審査もせず「憲法第14条で規定している居住・移転の自由を不当に侵害」したという判断だ。
外交部をはじめ政府関連機関が、このような国家人権委の勧告を受け入れる場合、韓統連構成員の旅券発給・有効期間制限は、特別な「憂慮」事項を提示しない以上、解消されるものと見られる。
一方、韓統連での経歴記載などに言及した「人権侵害」陳情に対しては、2019年9月16日から身元確認書記載事項を大幅に縮小したとして棄却し、韓統連からの脱退意思の確認などは対面審査手続きなどがなかったとして「客観的証拠」不足として棄却した。
韓統連は1973年、反維新運動をスローガンとして「韓国民主回復統一促進国民会議日本本部(韓民党)」として出帆、1989年韓統連に改称され、会員たちは韓国国籍を維持したまま金大中救出運動などを展開してきたが、1977年の在日同胞留学生・金整司氏に対するスパイ捏造事件で反国家団体に規定された。
故金大中大統領は内乱陰謀捏造事件で韓民統議長を担ったとして、反国家団体首魁罪を適用されたが大統領に当選し、2013年には金整司事件も再審で無罪が宣告されたが、韓統連の名誉回復はいまだ達成されていない。