2018年 7月 19日 / 未分類
【オーマイニュース 2018/7/19】
裁判所がセウォル号惨事に対する国家責任を認め、国家と清海鎮海運が遺族355人に損害賠償金を支給しろと判決した。遺族が訴訟を起こして約3年が経過しての判決だ。
19日、ソウル中央地方法院は、チョン・ミョンソン4・16セウォル号家族協議会運営委員長など355人が、国家と清海鎮海運を相手に提起した損害賠償請求訴訟1審で「清海鎮海運と国家の過失で今回の惨事が発生したので、損害賠償責任を認める。犠牲者一人あたり2億ウォンを(慰謝料として)賠償しろ」と判決を下した。
●国家・清海鎮海運の責任認定 損害賠償請求金60%の支給判決
裁判所は「清海鎮海運は、不良状態でセウォル号を出港させて事態を引き起こし、セウォル号船員は乗客に船内待機を指示した後、自分たちだけ先に退船した」と指摘するとともに、救助の指揮を執った木浦の海洋警備当局の艇長については「乗客の脱出措置をしっかり取らず、国民の生命と安全を保護する義務を果たせなかった」との判断を示した。
また「犠牲者は具体的な状況を知らないまま、船内で救助を待って死亡に達した、セウォル号が転覆し始めた時から完全に転覆する時まで、とても長い時間、恐怖感に苦しめられて深刻な苦痛を感じたものと見られる」と付け加えた。
裁判所は遺族が請求した金額の約60%を損害賠償金として認定した。また 慰謝料の他に死亡当時の年齢と収入を勘案した全体損害賠償金は、犠牲になった高学生たちは約3億ウォン(約3千万円)、高校教師と一般成人被害者は約6億ウォン(約6千万円)が認められた。
遺族は2015年9月に「国家がセウォル号の管理・監督をまともに履行せず、惨事発生後も初動対応と現場救助活動で被害を増やした」として、損害賠償請求訴訟を請求した。 遺族は死亡者一人あたり損害賠償金約10億ウォン(約1億円)を請求していた。
裁判所は他の遺族が受けた国家賠償金との公平性や、国民からの寄付が支給された点を勘案したと説明した。訴訟を請求した遺族は国家責任を法的な判断を受けるとして、国家賠償金を拒否し、国民による寄付もセウォル号惨事の真相究明に使ってほしいと要求した状態だ。
●遺族「判決文に国家の誤りを具体的に明示してほしい」
判決が終わった後、ユ・ギョングン4・16セウォル号家族協議会執行委員長は「判決文を見て内容に対して申し上げることができる。国家の責任を認めたからといってうれしくない。当然のことだ」と立場を明らかにした。
彼は「国家や企業が法的に負わなければならない責任が具体的に何であり、救助当時、政府が何をしなければならず、何ができなかったなどを具体的に判決文に明示してほしいというのが私たちの目的だ」と強調した。
また「裁判が始まり2年10ヶ月、セウォル号惨事が起きて4年3ヶ月が過ぎたが、この長い時間もちこたえることができたのは私たちの家族のためだった。今後、再びこうしたことが繰り返されないという宿題を成し遂げる時まで、苦痛で大変でも必ずやり遂げる」と話した。
訴訟を担当したキム・ドヒョン弁護士は、控訴するか否かは判決文を見た後、遺族と協議して決めると明らかにした。キム弁護士は、最近明らかになった機務司によるセウォル号遺族査察疑惑などに対しては「今後、別途裁判で進められるか検討する」と話した。