2016年 1月 13日 / 声明
1月6日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が水爆実験を行った。北朝鮮当局者は核戦力の増強はあくまで自国防衛のためであり、米国の侵略戦争に対する抑止力であると明らかにした。
米国は60余年間、韓国に米軍を継続駐留させながら毎年、北朝鮮を仮想敵国にした大規模な韓米合同軍事演習を行っている。その内容は北朝鮮への先制攻撃やピョンヤンの占領をも想定するきわめて侵略的なものである。また米軍は韓国に核の傘を提供するとともに、秘密裏に炭ソ菌やペスト菌を搬入し、その実験も行っていた。更に米国は北朝鮮を攻撃するための小型の精密誘導核兵器も開発中であることも明らかになった。わが民族を全滅させる威力をもつ恐ろしい大量破壊兵器が北朝鮮に向けられているのだ。また軍事超大国である米国はすでにアフガニスタン、イラク、リビアを侵略し、それらの国々を崩壊させた。
この間、北朝鮮は準戦時体制を維持する休戦協定を、恒久的な平和体制を保障する基礎となる平和協定に置き換えないかぎり、軍事緊張を根本的に解消できないとして、米国に対し平和協定締結のための対話を強く求めてきた。しかしオバマ政権はここ数年間、北朝鮮との対話をいっさい拒否している。昨年は北朝鮮が韓米合同軍事演習を中止するならば、自国の核開発を一時停止する、という提案を行ったが、米国はこれも拒否した。更に米国は韓国政府に圧力を加え昨年12月末、日本軍「慰安婦」問題の拙速な韓日「合意」を強要した。それは北朝鮮を包囲する韓米日三角軍事同盟を促進する条件作りのためであった。
このような米国の対北敵視政策および対話を拒否する硬直した姿勢が北朝鮮の不信と警戒心をさらに増幅させ、対抗措置として今回の水爆実験に至ったと言えるだろう。
水爆実験以降の韓米日の動きは、朝鮮半島の緊張を極度に高めている。米国は北朝鮮の水爆実験に対して「強力で包括的な制裁」を加えるために奔走するとともに、グアムにあるB52戦略爆撃機を朝鮮半島に急派、上空を旋廻させて威嚇した。あわせて今後、空母ロナルド・レーガン、ステルス爆撃機、原子力潜水艦など米国の「戦略資産」(戦略核攻撃兵器)を投入する意向を明らかにしている。このような事態の進行は、あらためて朝鮮半島の緊張を激化させている張本人がまさに米国であることを証明している。
朴槿恵政権は米国の強硬な対応と歩調を合わせて8・25合意以降、中止していた休戦ラインでの拡声器放送を再開するとともに、中国などに制裁強化を呼びかけている。朴政権の対北敵視政策はわが民族を戦争の瀬戸際に追いやっている。日本の安倍政権も制裁を強化することを強調するなど事態をさらに悪化させている。
軍事緊張を高めている韓米日の動きに対して警戒心をもった中国とロシアの両国は、B52機の飛行と拡声器放送の再開に反対の意を示しながら、対話による問題解決を強調している。特に中国は朝鮮半島に核を持ち込んだ米国の責任を追求した。
われわれは韓米日の北朝鮮に対する制裁と軍事的な対決行動に断固反対する。そのような行動は何ら解決をもたらさないどころか、事態をいっそう悪化させて、戦争を誘発するおそれさえある。朝鮮半島の戦争はわが民族が全滅する核戦争となるだろうし、それは世界の戦争へとつながっていくだろう。
米国は早急に北朝鮮との対話を開始し、朝鮮半島の平和と安定の基礎となる平和協定を締結しなければならない。また対話の環境を整えるためにも3月に予定されている韓米合同軍事演習を中止しなければならない。朴槿恵政権は北朝鮮に対する拡声器放送と制裁強化策動など緊張を激化させるすべて言動を即刻中止しなければならない。
2016年1月13日
在日韓国民主統一連合
在日韓国青年同盟
在日韓国民主女性会
在日韓国人学生協儀会