2019年 7月 22日 / 声明
1965年の韓日請求権協定によって歴史問題はすべて終了したと強弁する安倍政権は7月1日、あくまで日本の謝罪と賠償を要求する韓国に報復する政治目的で経済制裁を発動した。これによって加害者である日本が被害者である韓国に制裁を加えるという、驚くべき事態が現出した。今回の報復措置が昨年以降、急進展した朝鮮半島の平和と統一の流れに日本が抵抗し妨害しようとするものであることは明らかだ。過去に日本は奸計と強迫によって朝鮮を侵略したが、100年経た今もその手法の基本は変わっていない。安倍政権の朝鮮半島に対する不当な干渉を絶対に許してはならない。
われわれは安倍政権の不当な報復措置に断固反対し、即刻撤回を要求する。また、南北分断に固執し緊張を激化させようとする安倍政権に対する闘いを強化し、平和実現と歴史清算に対する不退転の決意を新たにする。歴史問題においての根本解決は、日本政府の真の謝罪と賠償を勝ち取ることである。このような原則的立場を最後まで貫くよう、文在寅政権にあらためて要請する。また、日本の韓国への軍事進出につながる韓日軍事情報保護協定は、この際きっぱり廃棄されなければならない。今後、自由韓国党や朝鮮日報に象徴される保守勢力が安倍政権に同調したり、妥協的な態度を示すならば、彼らは売国的な親日勢力としてより一層民族の指弾の的となるだろう。
安倍政権の不当な干渉を糾弾し、歴史問題の真の解決のために韓国国民の多くが自発的運動に立ち上がるなか、日本製品の不売・不買運動が広がっている。民族全体の課題でもある歴史清算の闘いに、在日同胞は重大な関心を寄せざるをえない。われわれは韓国の各界各層に広がる安倍政権糾弾、歴史清算の闘いを熱烈に支持し、あわせて日本の地でこの正義の闘いに連帯する運動を全力で展開する決意を明らかにする。
2019年7月19日
在日韓国民主統一連合
2017年 5月 10日 / 声明
昨日実施された第19代韓国大統領選挙において、「共に民主党」の文在寅候補が、「保守の牙城」といわれる大邱、慶南、慶北を除く全地域で1位を記録、青年層を中心に幅広く票を集め、得票率41.4%を得て当選した。広範な国民の支持を受けた文候補の当選は「国民の勝利」であり、「わたしたちの勝利」である。韓統連は文候補の当選を心より歓迎し、新政権に大いに期待するものである。
「朴槿恵―崔順実ゲート」で明らかになった朴政権の国政ろう断と憲政秩序破壊に憤激した国民は、1700万にも及ぶキャンドルを掲げ続けて、ついには朴槿恵を罷免し逮捕に追い込む成果をかち取った。さらにこの「キャンドル革命」は、朴槿恵とその追従勢力の不正腐敗、悪政失政を対象とし追求するところにとどまるのではなく、すべての積弊の清算とそれらを主導してきた積弊勢力の一掃が、韓国が真の民主共和国として生まれ変わるために、不可欠の課題であり、国民が主権を行使してそれを実現しなければならないことを明らかにした。
すなわち、今回の大統領選挙では、キャンドルに示された国民の意思を選挙において全面的に発揮し、積弊清算と民主改革をなによりも優先し積極的に推進する民主政権ヘと政権交代を果たすことが、最大の課題であった。文候補は昨日夜、「キャンドル革命」の発信地である光化門で、「正義の国、統合の国、原則と常識が通じる国をつくるために、共に闘った偉大な国民の偉大な勝利」と当選後の第一声を上げた。文政権の誕生はまさに「キャンドルの民意」にかなうものといえるだろう。
文候補は朴政権に反対し、キャンドルデモに参加、賛同する姿勢を示し、選挙公約として、積弊清算特別調査委員会の設置と不正蓄財の没収、財閥改革と特恵根絶などの根本改革とセウォル号惨事の真相究明、開城工団の再開、韓日「慰安婦」合意の再交渉など、緊急かつ重要な課題の解決も掲げた。
とりわけ開城工団の再開など南北関係については、南北共同宣言に基づき、これを復元し発展させることが、新政権の急ぐべき課題であることを指摘したい。文候補は盧武鉉大統領の右腕として10・4宣言に関わった経歴を持ち、選挙運動期間中には「朝鮮半島平和構想」の発表を通じて、南北共同宣言の継承を強調、南北の民間交流も推進し、朝米関係の改善にも尽力するとした。朝鮮半島と東アジアにおける対決と緊張状態から脱却し、平和と統一を主導していくうえで、ふさわしい役割を担っており期待が大きい。新政権は、南北海外で共に進める6・15民族共同委員会の共同行事や全民族大会の開催についても、積極的に協力することで成功へと導き、「第2の6・15時代」をきり開かなければならない。
対米関係については、なによりも自主権を明確に主張することが重要である。特に、米国側の奇襲配備や費用負担要求で問題が深刻化するサード(THAAD、高高度ミサイル防衛システム)の韓国配備は、「次期政権で検討すべき」としていたが、「配備反対」を明らかにし、至急に対処することが求められている。また、戦時作戦指揮権の返還についても公約どおり推進すべきだ。
新政権の下で国民主権が発露し、民主が発展し民生が保障され、新政権が民族主権と国家主権を守護し、平和を実現し統一を促進し、さらには在外同胞が異国の地にあっても、国民としての誇りを持って民族的に生きることができるよう積極的な政策を展開することを希望する。「全力で新しい国をつくる。国民だけを見て正しい道を進む」「国民大統領となる」と明言した文在寅・新大統領の決意に拍手を送りながら、韓統連は新政権に支持と支援を惜しまないことを明らかにする。
2017年5月10日
在日韓国民主統一連合(韓統連)
2017年 3月 10日 / 声明
今日、憲法裁判所は朴槿恵大統領に対する弾劾訴追の認容を発表、弾劾が決定した。これにより、朴槿恵の大統領職は即時解かれた。われわれはこの決定を全面的に支持、歓迎するとともに、憲法裁判所の妥当で賢明な判断を評価するものである。
「朴槿恵―崔順実ゲート」で明らかになった、朴槿恵による憲政秩序の破壊と国政ろう断に対する国民の怒りは、全土で巨大なキャンドルとなって燃え上がり、「朴槿恵弾劾・逮捕処罰」の天を衝く喚声は青瓦台、政府、国会そして憲法裁判所をも完全に包み込んだ。弾劾決定は「朴槿恵を決して許さない」とする民意が実現したものであり、キャンドルの勝利だといわなければならない。
そしてキャンドルの闘いは、この勝利にとどまるものでは決してない。今回の憲法裁判所の調査と特別検察チームの捜査により、朴槿恵と崔順実の罪状はもちろんのこと、関連して青瓦台・政府高官と李在鎔・サムスン電子副会長ら財界首脳の不正腐敗も明らかにされた。そして、まずは朴槿恵を即時逮捕し捜査に入ることを軸に、すべての容疑者を徹底的に調査し、隠されてきた事実を満天下に明らかにしなければならない。朴槿恵の退陣要求から始まったキャンドルの闘いは、発展しながら、こうした積弊の清算を強く求めるに至った。長年に渡り、この国と国民を好き放題に「くいもの」にしてきた勢力を、これを機会に清算しなければならない。
この間、黄教安職務代行率いる政府と与党・自由韓国党は朴槿恵弾劾に反対し、合わせて朴槿恵を支持する極右団体は、キャンドルデモに対して「従北(北朝鮮に追従するの意)」攻撃まで持ち出し、弾劾反対キャンペーンを露骨に展開してきた。自らの既得権益を死守するためにはなりふりかまわない、まさに積弊勢力である。弾劾決定に危機感をつのらせているだろう、この勢力も一掃しなければならない。
弾劾決定に伴い、5月初めには大統領選挙が実施されることになる。積弊を清算し民主改革を進め、平和と統一を実現していく大統領を選出し、進歩的な方向性を持つ民主政権を創出することが民意の実現だといえる。そのためには、キャンドルを掲げ続け、「国民こそが主人公」との主権意識を発揮することが何より重要であり、そのキャンドルのもとに反保守大連合が構築され、民主政権をつくりだすことが、時代と情勢の要求であり、国民の願いだ。
国内のキャンドル闘争と固く連帯して闘ってきた韓統連は、第16期代議員大会で確認した方針である政権交代、すなわち「民主政権の創出」を全力で実現し、自主・民主・統一へと進む大路の扉をこの手で必ず開く決意だ。
2017年3月10日
在日韓国民主統一連合
2016年 11月 30日 / 声明
昨日29日、朴槿恵大統領は3回目となる国民向け談話を通じて「大統領任期の短縮を含めて、進退について、国会の決定に委ねる」「与野党が議論して、その日程と法の手続きに従って、大統領職から退く」と述べ、自身の進退問題を国会に委ねることを明らかにした。
これは、ひとことで言って、高まる退陣要求の国民世論をかわし、国会で進む弾劾手続きをかく乱、回避するためにひねり出した、時間稼ぎの小賢しい術策に過ぎない。韓統連は当然これを厳しく糾弾するものである。
また、朴大統領は、検察の「朴槿恵―崔順実ゲート」捜査により、事件の共犯として歴代大統領で初めて被疑者となりながらも、談話で「国家と国民のためを思って、あらゆる努力を尽くしてきた」「いっときも個人的な利益を求めなかったし、小さな邪心も抱かず、生きてきた」とし、変わらぬ開き直りの姿勢に終始した。
いうまでもなく、「朴槿恵―崔順実ゲート」に憤激した国民の要求は、200万のキャンドルに示されたように、朴大統領の「即刻退陣」である。
今回の談話は退陣要求のキャンドルの炎にさらに油を注ぐ格好となった。「朴槿恵退陣非常国民行動」は30日に全国第1次全面ストと「市民不服従の日」キャンドル集会と大統領府前までの行進を、12月3日には第6次汎国民行動を「朴槿恵即刻退陣の日」と宣言してキャンドル集会を展開するなど、即刻退陣を求めるより強力な闘争を決定した。野党は揺らぐことなく弾劾手続きを進めると言明している。
朴大統領は国民の要求に応えて即刻退陣しなければならない。また現在、朴大統領にできることはそれだけである。民意に背いた政権の末路は歴史が示すとおりだ。韓統連は内外の闘争と固く連帯して、朴槿恵即刻退陣を実現する決意を再度明らかにする。
2016年11月30日
在日韓国民主統一連合(韓統連)
2016年 9月 29日 / 声明
昨年11月14日、ソウルで開かれた民衆総決起闘争で警察の放水銃の直撃を受け意識不明となったペク・ナムギ農民が9月25日、亡くなられました。韓統連中央本部は、遺族に哀悼の意を表すとともに、真相究明と責任者処罰を求める声明を発表しましたので紹介します。
昨年11月14日、ソウルで繰り広げられた民衆総決起闘争において、警察の直撃放水を浴びて意識不明の重体が続いていたカトリック農民会のペク・ナムギ農民が9月25日、亡くなられた。韓統連は故人の冥福を心より祈るとともに、遺家族に深い哀悼の意を表するものである。
民衆総決起闘争は民生を破綻させ民主を後退させ、平和を破壊し統一を阻害する無能・無責任・不通の朴槿恵政権に対する民衆の天を衝く怒りが結集したものであり、民衆による当然の抗議行動である。これに対して朴政権は警察力を総動員、法規をこえる徹底した弾圧を加え、ペク・ナムギ農民がその犠牲となった。
しかし、警察当局と政権側は当初から、暴力弾圧を正当化し自らの責任を否認、謝罪どころか見舞いもしようとしなかった。先日ようやく開かれた1日聴聞会でも、警察当局は不誠実な態度に終始し、真相究明とはほど遠い結果で終わった。
それだけでなく、政権側はペク・ナムギ農民が亡くなるや、待っていたかのように、故人の診療記録を押収し、さらには剖検(ぼうけん、解剖して調べること)を推進しようと血眼になっている。ペク・ナムギ農民の死因は直撃放水ではないとすることで、真相を隠蔽(いんぺい)し責任回避を図ろうとする、極めて卑劣な意図があることは明らかだ。
韓統連は政治的にはもちろん、人倫的にも決して許すことのできないこうした悪辣(あくらつ)な行為を強硬に進める朴政権を、厳しく糾弾するものである。
現在、遺家族および市民社会団体で構成された闘争本部、そして野党は、ペク・ナムギ農民を悼みながら、剖検を全力で阻止するとともに、特別検事制度の導入による真相究明と責任者処罰を必ず成し遂げようと決意、政権側に対抗している。
韓統連も真相究明と責任者処罰の実現を強く求めるものである。
さらに2016民衆総決起闘争本部は、参加者すべてがペク・ナムギ農民の意志を体現し、10月1日の汎国民大会、11月12日の15万人民衆総決起闘争を成功させて、朴政権を完全に包囲し退陣へと追い込む全面闘争を力強く宣言した。
朴政権による被害者はペク・ナムギ農民だけでなく、セウォル号惨事の高校生たちもまさにそうだが、朴大統領は一度も謝罪したことはない。国民の生命を守らず、反省もしなければ責任も取らない政権には退陣の道しかない。
韓統連は高揚する国内の民衆闘争に固く連帯しながら、海外の地からも朴政権の退陣を求めて闘い抜くことを今一度、誓うものである。
2016年9月29日
在日韓国民主統一連合(韓統連)