2016年 9月 29日 / 声明
昨年11月14日、ソウルで開かれた民衆総決起闘争で警察の放水銃の直撃を受け意識不明となったペク・ナムギ農民が9月25日、亡くなられました。韓統連中央本部は、遺族に哀悼の意を表すとともに、真相究明と責任者処罰を求める声明を発表しましたので紹介します。
昨年11月14日、ソウルで繰り広げられた民衆総決起闘争において、警察の直撃放水を浴びて意識不明の重体が続いていたカトリック農民会のペク・ナムギ農民が9月25日、亡くなられた。韓統連は故人の冥福を心より祈るとともに、遺家族に深い哀悼の意を表するものである。
民衆総決起闘争は民生を破綻させ民主を後退させ、平和を破壊し統一を阻害する無能・無責任・不通の朴槿恵政権に対する民衆の天を衝く怒りが結集したものであり、民衆による当然の抗議行動である。これに対して朴政権は警察力を総動員、法規をこえる徹底した弾圧を加え、ペク・ナムギ農民がその犠牲となった。
しかし、警察当局と政権側は当初から、暴力弾圧を正当化し自らの責任を否認、謝罪どころか見舞いもしようとしなかった。先日ようやく開かれた1日聴聞会でも、警察当局は不誠実な態度に終始し、真相究明とはほど遠い結果で終わった。
それだけでなく、政権側はペク・ナムギ農民が亡くなるや、待っていたかのように、故人の診療記録を押収し、さらには剖検(ぼうけん、解剖して調べること)を推進しようと血眼になっている。ペク・ナムギ農民の死因は直撃放水ではないとすることで、真相を隠蔽(いんぺい)し責任回避を図ろうとする、極めて卑劣な意図があることは明らかだ。
韓統連は政治的にはもちろん、人倫的にも決して許すことのできないこうした悪辣(あくらつ)な行為を強硬に進める朴政権を、厳しく糾弾するものである。
現在、遺家族および市民社会団体で構成された闘争本部、そして野党は、ペク・ナムギ農民を悼みながら、剖検を全力で阻止するとともに、特別検事制度の導入による真相究明と責任者処罰を必ず成し遂げようと決意、政権側に対抗している。
韓統連も真相究明と責任者処罰の実現を強く求めるものである。
さらに2016民衆総決起闘争本部は、参加者すべてがペク・ナムギ農民の意志を体現し、10月1日の汎国民大会、11月12日の15万人民衆総決起闘争を成功させて、朴政権を完全に包囲し退陣へと追い込む全面闘争を力強く宣言した。
朴政権による被害者はペク・ナムギ農民だけでなく、セウォル号惨事の高校生たちもまさにそうだが、朴大統領は一度も謝罪したことはない。国民の生命を守らず、反省もしなければ責任も取らない政権には退陣の道しかない。
韓統連は高揚する国内の民衆闘争に固く連帯しながら、海外の地からも朴政権の退陣を求めて闘い抜くことを今一度、誓うものである。
2016年9月29日
在日韓国民主統一連合(韓統連)
2016年 9月 27日 / 声明
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の咸鏡北道では、8月末の大型台風と集中豪雨で河川が氾らんするなど、史上最大規模の水害に見舞われた。朝鮮中央通信と国連などによると、被害は死者・行方不明者500人以上、倒壊・損傷した家屋3万7000棟以上、被災者14万人以上とされる。甚大な大災害に見舞われた北朝鮮は国際社会に緊急支援を訴えている。
現在、国連の人道支援機関の緊急支援要請に対し、世界食糧計画(WFP)は、子供など社会的ぜい弱者への早急な支援金として120万ドル(約1億2000万円)を支援し、来年8月までに2100万ドル(約21億円)が必要としている。韓国では野党をはじめ多くの市民社会団体が人道支援を呼びかけており、海外の同胞団体も支援活動にたち上がっている。
われわれは「祖国の同胞と苦楽を共にする」という精神をけっして忘れてはならない。在日韓国民主統一連合は水害で犠牲になった同胞に対して哀悼の意を表すると同時に、突然に家族と家を失い、絶望の淵に突き落とされた被災者に慰労の意を表する。われわれは行方不明者の捜索活動と水害復旧作業に少しでも助けになるよう、在日同胞と日本人を対象に支援の募金活動を展開することを決定した。
朴槿恵政権は政治的問題を口実にして、北朝鮮の水害復旧に対する人道支援を拒否しただけでなく、市民団体の支援活動をも妨害した。同族愛と人道主義さえも投げ捨てた朴政権に失望を禁じえない。われわれは朴政権の執拗な妨害にかかわらず、支援運動が広がることを期待する。また国内外の同胞および日本の友人とともに展開するこの支援運動が、南北間や朝日間の和解と協力の関係を再構築するうえで、少しでも力になれば幸いである。
在日同胞と日本人の皆様には、水害に苦しむ同胞のために、ぜひ緊急の復旧支援募金にご協力してくださるよう、謹んでお願い申し上げます。
2016年9月27日
在日韓国民主統一連合
2016年 7月 21日 / 声明
韓米両国は高高度ミサイル防衛システム(THAAD・サード)を慶尚北道星州郡に配備することを決定するとともに、来年中には実動させると発表した。朴槿恵政権はサード配備が「北の脅威に対応して国民の生命を守るため必要だ」「北以外の他の第三国をねらったものではない」と強弁している。しかし、サードは北朝鮮だけでなく中国、ロシアの領域をもその射程に入れている。北朝鮮、中国、ロシアを攻撃する米軍の戦力を飛躍的に増強することがサード配備の目的だ。朝鮮半島とアジアに覇権をうち立てようとする米国の戦略の一環であるサードの韓国配備には北朝鮮はもちろん、中国とロシアも強く反発した。北朝鮮の祖国平和統一委員会は「わが領土を大国の角逐場にし、民族の運命を外勢に譲り渡す蛮行」と非難し、また中ロ両国はサードの韓国配備によって自国の安全保障が大きく脅かされるとして、配備の決定を撤回するよう韓米に強く要求している。
サードが配備されることで、それでなくとも悪化している南北関係がいっそう緊迫するだけでなく、韓国は新冷戦(韓国・米国・日本対北朝鮮・中国・ロシア)の前哨基地と見なされるだろう。サード配備は関係各国の核軍拡を誘発し、東北アジアの核戦争の危機をさらに高める。また有事の際には前哨基地国家として韓国は敵国から真っ先に攻撃を受けざるをえない。韓国に配備されるサードの指揮と操作は米軍に全的に委ねられる。また、サードが敵のミサイル攻撃から集中的に守護しようとするのはあくまで韓国とアジア地域に展開する米軍基地であり、けっして韓国の国民ではない。
サード配備の強行によって韓中関係が悪化し、それでなくとも苦境にある経済は更なるダメージを受けるだろう。またサードのレーダーから発せられる、非常に強力な電磁波はきわめて有害であり、地域の住民の人体などに被害をもたらす。
韓国にとってまさに「百害あって一利なし」の代物であるサードを、なぜ朴政権が受け入れたのか。その理由は朴政権の骨の髄までに及ぶ従米体質に尽きる。米国が配備を急いだ理由の一つも朴政権の任期内に配備を済ませたいとの計算からだ。韓米日三角軍事同盟の早期実現をもくろむ米国の要求にそって、朴政権は日本軍「慰安婦」問題の拙速合意、開城工団閉鎖を強行した。サードまで受け入れた朴政権の売国性はついに極まった。
米国に従属して民族の利益を売りとばした朴槿恵政権は即刻退陣すべきだ。米国は東北アジアの核戦争を誘発するサード配備決定を即刻撤回しなければならない。
恥知らずな朴政権の売国行為と米国のアジア覇権主義の野欲によって、わが祖国と民族の運命が奈落の底に突き落とされようとしている今、この危機を克服するには南北、海外の八千万民族が大団結した闘争以外にない。われわれは、燎原の火のように広がるサード配備反対運動に全力で合勢していくだろう。
2016年7月19日
在日韓国民主統一連合
2016年 1月 13日 / 声明
1月6日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が水爆実験を行った。北朝鮮当局者は核戦力の増強はあくまで自国防衛のためであり、米国の侵略戦争に対する抑止力であると明らかにした。
米国は60余年間、韓国に米軍を継続駐留させながら毎年、北朝鮮を仮想敵国にした大規模な韓米合同軍事演習を行っている。その内容は北朝鮮への先制攻撃やピョンヤンの占領をも想定するきわめて侵略的なものである。また米軍は韓国に核の傘を提供するとともに、秘密裏に炭ソ菌やペスト菌を搬入し、その実験も行っていた。更に米国は北朝鮮を攻撃するための小型の精密誘導核兵器も開発中であることも明らかになった。わが民族を全滅させる威力をもつ恐ろしい大量破壊兵器が北朝鮮に向けられているのだ。また軍事超大国である米国はすでにアフガニスタン、イラク、リビアを侵略し、それらの国々を崩壊させた。
この間、北朝鮮は準戦時体制を維持する休戦協定を、恒久的な平和体制を保障する基礎となる平和協定に置き換えないかぎり、軍事緊張を根本的に解消できないとして、米国に対し平和協定締結のための対話を強く求めてきた。しかしオバマ政権はここ数年間、北朝鮮との対話をいっさい拒否している。昨年は北朝鮮が韓米合同軍事演習を中止するならば、自国の核開発を一時停止する、という提案を行ったが、米国はこれも拒否した。更に米国は韓国政府に圧力を加え昨年12月末、日本軍「慰安婦」問題の拙速な韓日「合意」を強要した。それは北朝鮮を包囲する韓米日三角軍事同盟を促進する条件作りのためであった。
このような米国の対北敵視政策および対話を拒否する硬直した姿勢が北朝鮮の不信と警戒心をさらに増幅させ、対抗措置として今回の水爆実験に至ったと言えるだろう。
水爆実験以降の韓米日の動きは、朝鮮半島の緊張を極度に高めている。米国は北朝鮮の水爆実験に対して「強力で包括的な制裁」を加えるために奔走するとともに、グアムにあるB52戦略爆撃機を朝鮮半島に急派、上空を旋廻させて威嚇した。あわせて今後、空母ロナルド・レーガン、ステルス爆撃機、原子力潜水艦など米国の「戦略資産」(戦略核攻撃兵器)を投入する意向を明らかにしている。このような事態の進行は、あらためて朝鮮半島の緊張を激化させている張本人がまさに米国であることを証明している。
朴槿恵政権は米国の強硬な対応と歩調を合わせて8・25合意以降、中止していた休戦ラインでの拡声器放送を再開するとともに、中国などに制裁強化を呼びかけている。朴政権の対北敵視政策はわが民族を戦争の瀬戸際に追いやっている。日本の安倍政権も制裁を強化することを強調するなど事態をさらに悪化させている。
軍事緊張を高めている韓米日の動きに対して警戒心をもった中国とロシアの両国は、B52機の飛行と拡声器放送の再開に反対の意を示しながら、対話による問題解決を強調している。特に中国は朝鮮半島に核を持ち込んだ米国の責任を追求した。
われわれは韓米日の北朝鮮に対する制裁と軍事的な対決行動に断固反対する。そのような行動は何ら解決をもたらさないどころか、事態をいっそう悪化させて、戦争を誘発するおそれさえある。朝鮮半島の戦争はわが民族が全滅する核戦争となるだろうし、それは世界の戦争へとつながっていくだろう。
米国は早急に北朝鮮との対話を開始し、朝鮮半島の平和と安定の基礎となる平和協定を締結しなければならない。また対話の環境を整えるためにも3月に予定されている韓米合同軍事演習を中止しなければならない。朴槿恵政権は北朝鮮に対する拡声器放送と制裁強化策動など緊張を激化させるすべて言動を即刻中止しなければならない。
2016年1月13日
在日韓国民主統一連合
在日韓国青年同盟
在日韓国民主女性会
在日韓国人学生協儀会
2016年 1月 12日 / 寄稿
2016・1・12 韓統連大阪本部 金昌五(キムチャンオ)
朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮と略す)は、2016年1月6日午前10時、政府声明を通して、初の水爆実験に成功したと発表した。
過去3回の核実験は、いずれも事前に予告(警告)された上で実施されたが、今回は事前にまったく知らされなかったこともあり、その衝撃度は極めて大きかった。また、過去3回の核実験は原爆実験であったのに対して4回目となる今回の核実験は、原爆とは桁違いの破壊力を持つ水爆実験であったことによる衝撃も大きかった。
以降、日本のマスコミは連日これをとりあげ、朝鮮政府を非難し、朝鮮に対するさらなる制裁の強化を求める声は日本社会を覆い尽くしているかのようだ。しかし、果たして、朝鮮を非難し、朝鮮に対する制裁を強化することで問題は解決するのか。
多くの識者は、過去長年にわたる朝鮮に対する経済制裁が効力を発揮しなかったことを認めており、追加制裁による効果も期待できないと認めている。その上で、ただただ「制裁強化」を主張しているのは、まるで思考停止に陥っているかのようだ。